第7話、行きましょう。収穫の少なかった第6話に比べ、今回は濃厚ですよ。
ジェリー・ホーンが森の中で怯えています。
iPhoneで兄のベン・ホーンに電話します。「誰かに車を盗まれた」と。
「オレはブッ飛んでるんだ! いま何処にいるか分からないんだよ!」
どうやら、自分の育てた大麻で盛大にラリっているようです。
ツイン・ピークス保安官事務所。
ホークが、ドアのすき間から出て来たメモ3枚を、トルーマン保安官と検分しています。
1枚目のメモ
This came to me in a dream last night.
My name is Annie.
I’ve been with Dale and Laura.
The good Dale is in the lodge and he can’t leave.
Write it in your diary.
アニーはクーパーとローラと一緒にいる。良いクーパーはロッジから出られない。
ホーク「これは4枚のうちの3枚目で、1枚はまだ見つかっていない」
「アニーの伝言」が登場しました。これは、「FWWM( ローラ・パーマー最期の7日間)」にも出てきます。
アニーが、ローラのベッドの隣に血まみれで寝ているシークエンス。
アニーは「善いデイルはロッジにいて出られない」「日記にそう書いて」とローラに告げるシーンがありました。
2枚目のメモ
It’s 1:30 AM. I’m crying so hard.
I can hardly breathe.
NOW I KNOW IT ISN’T BOB. I KNOW WHO IT IS.
「それはボブじゃない。私は、それが誰だか分かったの」
ホーク「これはリーランドが隠したメモだ。彼は、ローラが感づいたと知ったんだ」
そうです。このメモは「ローラの日記」の破られたページです。
トルーマン「リーランド・パーマー、ローラの父親は、このメモをいつ隠したと思う?」
ホーク「ジャック・ルノー殺人事件を捜査していた時に、何度か彼をここに呼んだんだ。その時に隠したんだと思う」
トルーマン「ローラはクーパーには会ったことないよなあ。クーパーはローラが死んだあとにここに来たんだよな?」
ホーク「ローラは、アニーが夢の中に現れて、この言葉を残したと言ってる。良いクーパーはロッジから出られないと。だが、ハリー(・トルーマン)はあの夜、クーパーがアニーと一緒にロッジから出てくるのを見た。ドクター・ヘイワードとハリーは彼をグレートノーザンに連れて行った。もしも良いクーパーがロッジにいて出られないということなら、アニーと一緒にロッジから出てきたのは良いクーパーじゃないってことになる」
トルーマン「そして、クーパーはすぐに町を出たんだよな。その日、彼を見た者は誰か他にいるのか?」
ホーク「ドク・ヘイワードだ。他は分からない」
トルーマンは、ハリーに電話する。しかし、ハリーは容態が思わしくないようで、後日かけ直すことに。
アンディが、トラックの件で男に職質している。
アンディ「あれはお前のトラックだろ?」
帽子にヒゲの男「そうだよ。だけどこの件は今ここで話せない」
アンディ「分かった。じゃあ、スパークウッドと21号の先の道で会おう」
帽子にヒゲ「2時間後、4時半に。だから、今はここを出て行ってくれ」
トルーマン保安官、スカイプでドク・ヘイワードとチャットを始める。
仕込みPCがせり上がってきます。トルーマンのPCは特別仕様だ。
トルーマン「クーパーが、グレートノーザンから病院に運ばれた後のことを教えてくれ」
ヘイワード「クーパーが集中治療室から抜け出すのを見たよ。彼は振り返って私を見たけど、様子が変だったなあ。私は彼に声をかけたが、彼は何も答えなかった」
トルーマン「彼は集中治療室で何をしてたんだ?」
ヘイワード「オードリー・ホーンと一緒にいたと思う。銀行が爆発したひどい事件で、彼女は昏睡状態になってしまった」
第7話では、25年前のクーパーの行動をおさらいしています。オードリーの名前がようやく出てきましたが、まだ本人の出番はありません。どうやらオードリーは生きています。しかし、元気なのか? 昏睡から覚めているのか? いずれ明らかになるでしょう。
バックホーン警察。
マックリー刑事のもとに、ペンタゴンのシンディ・ノックス中尉(第5話に登場)がやって来る。指紋の件だ。
冷凍保存している死体をチェックする。例の、頭がない死体だ。
ノックス中尉「死体の頭部はどこにあるの?」
マックリー警部「知りません」
ノックス中尉「この男の年齢は?」
検死官「40代後半です」
ノックス中尉「いつ死んだの?」
検死官「5〜6日以内に死んだ模様です」
ノックス中尉、携帯でデイビス大佐に電話。「今回は指紋じゃありません。身体があったんです。彼の死体がここにあります」
デイビス「本当か?」
ノックス中尉「大佐、指紋はこの死体からのものです。要点は2つ。まず、死体には頭がありません。それから、年齢が違っています。死体は40代後半です」
デイビス「もしブリッグス少佐が最近まで生きていたとしたら、彼は70代後半のはずだ」
何と何と何と!この死体はブリッグス少佐の死体なのか!!!
そう言えば、少佐の頭は第3話で「ブルー・ローズ」って言いながら宇宙空間を横切ってたっけ。
意味分からん……ホントすげえ展開だわ。
すると、廊下を歩いてくるガン黒の男。不気味すぎる。第2話で独房の中に出てきた、あのガン黒でしょうか。
ゴードン、部屋で口笛を吹いている。背景にはデカいキノコ雲の写真が飾ってある。
アルバートが入ってくる。「調子はどうだ?」「ダメだ。ダイアンは全然協力する気がない」
つれないダイアンに協力を要請するべく、ゴードンとアルバートはダイアンを自宅に訪ねます。サウス・ダコタに収監中のクーパーの様子がおかしいので、ダイアンをクーパーに面会させ、クーパーに何があったのか詳しく知ろうというのが彼らの目的です。
相変わらずのビッチ対応なダイアン「Fuck you Gordon.」
困った上司ゴードン、アルバートに向かって「Tough cookie.」
どうにかダイアンの説得に成功した一行は、サンスダコタ連邦刑務所に向かいます。ゴードン、アルバート、タミー、そしてダイアンの4人。自家用ジェットでのフライトです。
タミーが、クーパーの25年前の指紋と、2日前の指紋を並べてPCでゴードンたち説明します。
なんか変です。指紋が裏返しになってる。
ゴードン「YREV, 逆から読む言葉だ」
タミー「どういう意味?」
ゴードン「タミー。ちょっと両手を出して」
タミー、両手をゴードンの前に。手の平を下に向ける。
ゴードン、左手の小指から「I’m – very – very – happy – to」右手に移って「 see – you – again – old – friend.」
「ここはスピリチュアルなマウンド、スピリチュアルな指だ」←左手の小指と薬指の間の水かきの部分を、続いて薬指を指して
むむむむ。スピリチュアルなシークエンス。ここは宿題にしておこう。
アルバート、1枚の写真をタミーに見せて「この写真は、過去25年で唯一存在するクーパーの写真だ。後に見えるのは、リオにある彼の家だ」
バッド・クーパーはリオの豪邸に住んでるのか。ほえー。
連邦刑務所。ゴードン一行がクーパーに面会にきた。
ダイアン「10分だけ、私と彼の2人だけで話させて」
クーパーと対面するダイアン。
ダイアン「ふたりで最後に会ったのいつだった?」
クーパー「ダイアン、オレのことを怒っているのか?」
ダイアン「あなたはどう思うの?」
クーパー「お前はオレのことを怒っていると思う」
ダイアン「ふたりで最後に会ったのいつだった?」
クーパー「お前の家で会った」
ダイアン「そうよ。あの夜のことを覚えてる?」
クーパー「いつだって覚えているよ」
ダイアン「私もよ。絶対に忘れない。……あなたは誰?」
クーパー「その質問の意味が分からない」
ダイアン「私を見て」
面会終了。ゴードンと向き合うダイアン。
「あれは私の知ってるクーパーじゃない(泣)。時間が経ったせいじゃない。彼の見かけが変わったからでもない。何かが違う。明らかに違うのよ」
ミニボトルをラッパ飲みのダイアン「FBIに乾杯」
ダイアンとクーパーの間には、女と男の関係があったんでしょうねえ。そのダイアンの証言で、いまサウスダコタにいるクーパーが、ノーマルなクーパーじゃないことが分かりました。
刑務所のバッド・クーパーが、看守に告げます。「マーフィー所長にメッセージを伝えてくれ。『我々はストロベリーについて話す必要がある』とな」
道ばたで帽子ヒゲ男を待つアンディ。しかし、男はやって来ない。
トラックは前の場所にまだある。5時05分。アンディの腕時計はロレックスだ!(←関係ないけど)
クーパー、マーフィー所長のオフィスへ。
クーパー「犬には足が4本あった。1本はお前がオレの車のトランクで見つけた。他の3本は消えた。もしオレの身に何か起きれば、お前が会いたくない人間が2人ここにやって来ることになる」
マーフィー「お前は何を知ってるんだ?」
クーパー「ジョー・マカルスキーだ」
マーフィー「(狼狽の表情で)な、何が望みだ?」
クーパー「車が欲しい。安いレンタカーがいい。オレとレイが使う。グローブボックスには、気の効いた道具を入れといてくれ。犬の足のことを忘れるなよ。お前とオレは二度と会うことはない。そして、ジョー・マカルスキーとMr.ストロベリーについて、誰も知ることはないだろう」
ジョー・マカルスキーとMr.ストロベリー、これは同一人物でしょうか? マーフィー所長とどんな関係が?
Lucky 7 Insurance、ダギーの部屋。
刑事がやって来ました。フスコ刑事ほか総勢3人。
ダギーの妻(ナオミ・ワッツ)も来ました「何があったの?」
刑事「車の件で来た」
ナオミ「ダギー、あなたの車は盗まれた?」
ダギー「盗まれた」
刑事「行方不明だという報告が来ている」
ナオミ「盗まれた可能性が高いわよね」
刑事「実は、車はすでに見つかっている。爆発した形跡がある」
ナオミ「息子がひとりで家にいるから早く帰らないと……」
刑事「明日の朝、連絡ください」
ナオミ「(帰りがけ、ダギーに向かって)2万5000ドルに加えて保険が入る。素敵な新車が買えるわ!」
会社を出ると、殺し屋(小人)が銃を手にダギー夫妻に近づいてくる!
ダギーの身体がとっさに反応する。小人の手をつかんで、地面に叩きつけるダギー。
シカモアの木と梅干し頭が地面から生えていて「ヤツの手を絞り上げろ」とダギーに言う。
パトカーが現場にやって来た。ダギー夫妻はピンチを切り抜けた。
グレートノーザン。
ベン・ホーンとビバリーが親密な雰囲気。
謎の音が聞こえている。反響音のようなウワォ〜〜〜〜ンという音。
ベン「この音はいつから?」
ビバリー「先週からよ。だんだん大きくなってる」
ベン「どこから来てるんだ、この音は?」
ウワォ〜〜〜〜ン
ビバリー「そう言えば、今日これが届いたのよ」
ベン「おや、これはずいぶん昔の鍵だな。20年前に鍵を変えたんだよ……ん、315号室じゃないか! クーパー捜査官が撃たれた部屋だ。ローラ・パーマーの殺人事件を捜査しに来たんだ」
ビバリー「ローラ・パーマーって誰?」
ベン「長い話になるよ。明日の朝、この音について調べよう」
スタンドの後ろの壁が、音の震源地のようです。
ロードハウス。
男が床を箒で掃いている。ひたすら掃いている。2分半にわたって掃いている。
電話が鳴る「ロードハウス。ジャン・ミシェルだ」
「2人送ったよ。ヤツは金髪がいいって言うから、金髪を2人送ったんだ」
「何歳だ? 彼女たちはID持ってたぞ。ロードハウスはルノー・ファミリーが57年間経営してるんだ」
ルノー! ジャック・ルノーやジャン・ルノーが片眼のジャックで働いてましたよね。まだ兄弟がいたのか。
いずれにせよ、このジャン・ミシェル・ルノーは売春斡旋屋だ。
刑務所から出るバッド・クープ。ベージュの車と携帯電話をゲット。レイが運転します。
RRダイナー。
シェリーはコーヒーを入れ、ハイジが笑う。
今日はバンドの演奏はなし。
【第7話まとめ】
- トルーマン保安官とホークが、クーパーの消息を追い始めました。
- その過程で、オードリーの名前がようやく出てきました。彼女は昏睡から覚めたのか?
- ダイアンが刑務所のバッド・クーパーに面会し、彼が昔のクーパーとは「何かが違う」と証言。
- バッド・クーパーは、刑務所のマーフィー所長をゆすって、まんまとプリズン・ブレイクに成功しました。
- グレートノーザンでは、謎の反響音が鳴っています。315号室の鍵と関係があるのか?
- 頭のない死体は、ブリッグス少佐の死体でした。しかも、死体は40代後半というあり得ない年齢。
- 視聴者はすでに「今の(バッド・)クーパーが、かつての(良い)クーパーとは違う」ということを知っていますが、ツイン・ピークス保安官事務所の人たちや、FBIの人たちもこの事実に気がついた模様です。
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