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特典映像レビュー その1

Gordon Cole

「ツイン・ピークス From Z to A」BOXセット、特典映像をご紹介(その1)

「ツイン・ピークス」の究極のBOXセット、「From Z to A」がいよいよ日本でも発売となりますが(2月27日発売)、発売に先立って特典映像を特別に視聴させていただきました。その内容についてご紹介したいと思います。

まず、「From Z to A」に収録されているディスクは全部で21枚。DISC1からDISC10は、「ツイン・ピークス」シーズン1、シーズン2、そして「ローラ・パーマー最期の7日間(FWWM)」本編および特典映像です。DISC11からDisc18が、シーズン3こと「リミテッド・イベント・シリーズ」の本編および特典映像。要するに「ツイン・ピークス」の題名がついた全部のコンテンツが18枚のディスクになった。そして今回、新たに追加されるディスクが3枚、DISC19とDISC20は新規特典映像集。最後のDISC21は、UHDディスクです。

このエントリでは、DISC19とDISC20の特典についてサクっと紹介します。なお、DISC21はUHDで、4K素材が収録されていますが、私はUHDが再生できるハードウェアを持っていないので、残念ながらこれを見ることはできません。収録されているのは、「火はあるか?」で有名な第8話。そして「パイロット版」だそうです。そうなんですよ「パイロット版」はフィルム撮影だったので、4Kでリリースできるんですよ。「そりゃ4Kで見たいっす!」ということで、いずれUHDデッキも買わないとですね。

今回、DISC19とDISC20を全部見て、もっとも興奮したのは、DISC20に入っている「A Talk with Kyle MacLachlan and Sheryl Lee」です。カイル・マクラクランとシェリル・リーが並んでインタビューに答えています。この2人が同時にインタビューを受けるのは初めてとのこと。思えば、シーズン1でこの2人が初めて同じ画面に映ったのは、「ローラ・パーマーの死体を検分するクーパー捜査官」というシークエンスでした。つまり、クーパーがツイン・ピークスの町にやって来た時、ローラ・パーマーはすでに死んでいた。

その後、赤いカーテンの部屋での共演は若干ありますが、2人とも生きている状態での共演となると、シーズン3の最終盤まで実現していません。

シリーズを代表する2人が揃ってインタビューを受けるという画は、なかなか刺激的です。

そして、そのインタビューを行うのが、クリスティン・マッケンナという女性。実はこの方、この本「ROOM to DREAM」をデビッド・リンチと共著しているんですわ。

このマッケンナさん、根っからのツイン・ピーカーですね。インタビューで繰り出す質問が、ことごとくマニアックで「それそれ!オレもそれが知りたかったのよ!」ってヤツばかりなんです。

例えば、例の赤いカーテンの部屋(赤い部屋)について、矢継ぎ早に問いかけます。

「ローラとクーパーが交わるのは、おもに赤い部屋よね。あなたたちにとって、赤い部屋が象徴するものは?」

「初めて赤い部屋のセットを見たとき、デビッド・リンチは何か説明したの?」

「赤い部屋で、ローラはクーパーに、何て耳打ちしたの?」

どうですか! 思わず身を乗り出してしまいますよ。

もちろん、彼らの答はここに記しませんが、ファンにとっては興味津々なものばかり。

さらには、マッケンナさんが独自にリンチからヒアリングした情報も披露されるのです。これがまた嬉しい内容のオンパレード。

「デビッド・リンチがダライ・ラマに会ったおかげで、『ツイン・ピークス』にチベットが登場することになったのよ。それで、あのクーパーが瓶に石を投げる捜査方法が生まれたのね」

これにはカイル・マクラクランも驚きの表情。そして、あの瓶に石を投げる撮影についてふり返る展開に。

さらに、「すべてをデビッド・リンチが創造したわけじゃない」ことにも、ちゃんと彼女は触れています。

「『ツイン・ピークス』のどの部分が、マーク・フロストの成分だと思う?」

これも興味深いでしょ。これにはカイル・マクラクランが自らの意見をきっちり答えています。

そして飛び出した究極の質問は、シェリル・リーに対してのものでした。

「ところで、キャリー・ペイジって誰なの?」

カイルが、思わず「オレも知りたい!」って叫んだ質問に対する、シェリル・リーの回答はBOXセットでお確かめください。

最終話に登場し、視聴者が(クーパーも)、ローラ・パーマーだと思った女性は、キャリー・ペイジと名乗りました。マッケンナさんはそこに突っ込んでいます。

いやあ、これまで、こんなにシリーズを掘り下げようとしたインタビュアーはいませんでしたよ。これが見られるだけでも、「From Z to A」は買いだと断言できます。おまけに、このインタビューは1時間半もあるんです。

もちろん、「ツイン・ピークス」の謎に関する肝心なことは、何一つ分かりませんよ。だけど、少なくとも(コアな)キャストたちが、どういう理解をしていたか。どういう演出をされていたかが非常によく分かりますからね。

リンチ&マッケンナの「ROOM to DREAM」も日本語訳を出して欲しいです。裏表紙がまたグッドでしょ!

(PART2へ続く)

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