衝撃の第8話に続く回ということもあって、俄然注目を集める第9話。WOWOWでは1週間のブランクがありましたが、USでも第8話から第9話は1週間空きました。第8話は、じっくり反芻する時間が必要だったしね。それでは第9話、早速ふり返って行きましょう。
朝、木立を歩くバッド・クーパー。顔が血だらけですが、足取りはしっかりしていて元気そう。
一方、飛行機で移動中なのは、ゴードン、タミー、ダイアン、アルバートのFBIの面々。そこへ、ペンタゴンのデイビス大佐から急ぎの電話がかかってきます。
電話の要件は、ブリッグス少佐の遺体がバックホーン警察で発見された件でしょう。第7話でしたね。
ゴードンはパイロットに指示し、飛行機の行き先をサウスダコタに変更します。
ダイアンが「私は家に帰りたいのよ!」と悪態をつきます。←ダイアンの悪態はお約束になってる
ゴードン「ダイアン、これはクーパーにも関係する大事な事件なんだ」
ダイアン「ブルー・ローズ・ケースね」
一応、最終的には物わかりのいいダイアン。
バッド・クーパーの前に、シャンタルの相棒ハッチが登場します。演じるは、何気にティム・ロス。
ハッチ「どうしたんだ? 昨夜待ってたんだぜ」
続いてシャンタルも登場。シャンタルにシャツをめくって撃たれた傷を見せるクーパー。
シャンタル「死なずに済んでラッキーだったわね」
刑務所のマーフィー所長からゴードンに電話が。
ゴードン「Cooper flew the Coop!」クーパーが脱獄した!
バッド・クーパーが、Mr.トッドに電話します。
クーパー「もう始末したか?」
トッド「まだだ」
クーパー「オレが次に電話するまでに殺っておけよ」
やたらと電話が登場する回です。
クーパー「マーフィー所長を2日以内に殺したい」
今度はシャンタルとハッチに殺しの発注です。
別れ際、シャンタルと熱いキスをするクーパー。
シャンタル「もっとして」
クーパー「また後でな」
……クーパー、バッド・クーパーのままじゃん!
やはり、ウッズマンが一度クーパーから取り出したボブは、元に戻してあったんですね。
ラスベガス・メトロポリタン警察。
ダギーとナオミ・ワッツ、保険屋のブッシュネル社長が事情聴取を受けている。
刑事たちが話している。
「この男(ダギー)には、1997年以前の記録がないんだ。免許証もない、パスポートもない、納税記録もない」
「証人保護(Witness Protection)プログラムかな?」
「おそらくな」
証人保護プログラムというのは、悪人を告発した人が「お礼参り」に遭うのを守るため、政府から別人の身分を与えられる制度のこと。しかしダギーはこれじゃないよね。
ダギーの身元を調べるため、刑事のうちの1人が妙案を思いつく。待合室にいるダギーに新しいコーヒーを持って行き、すでに飲み終わっていたコーヒーカップを引きあげて、DNAと指紋を採集する作戦です。
新しいコーヒーをもらったクーパーは、部屋の隅にあった星条旗を凝視している。次に彼が視線を移した先は……赤いパンプス……そして、コンセントだ。
モーテルの部屋でバーボンをあおる小人。JT(誰だ?)の留守番電話にメッセージを残しています。
小人がモーテルの部屋を出たところで、警察にホールドアップされます。フスコたちによって逮捕。
ツイン・ピークス保安官事務所。
ルーシーがネット通販で椅子を選んでいます。「アンディ、私はベージュの椅子が好きなの」
アンディ「僕は赤い椅子が好きなんだ」
結局、ルーシーは赤い椅子を買う。
どうでもいいシーンです。恐らく。
ホーンの家。
シルビアが苛立っています。ジョニーが家の中を走り回っているからです。
「ジョニー、どこにいるの?」
ジョニーが走り回って壁にぶつかって失神。
リチャード・ホーンは、オードリーじゃなくてジョニーの息子かも???
うーむ。……その線は突飛すぎるか。しかし、だとしたら何のためのシーンだろ。
ボビーが、母親のベティ・ブリッグスを実家に訪ねます。トルーマンとホークも一緒。
ボビー「ママ、クーパー捜査官のことを聞いてもいいかい?」
ベティ「夫が死ぬ前の日のことよ。クーパーが訪ねてきた後、夫は私に言ったわ。『ある日、息子のボビーとトルーマンとホークが来て、クーパー捜査官のことを尋ねるだろう。その時は、これを彼らに』と」
なんと、ブリッグス少佐は予言を残していました。
ベティ「この椅子よ。ここを見て」
椅子の背の部分に、鉄の仕込みパイプが隠されていました。
何だ? 何だ?
ゴードン一行がバックホーン警察に到着します。
ノックス中尉とマックリー刑事が出迎えます。
例によって禁煙の場所で喫煙しまくるダイアンのもとに、クーパーからのテキストメッセージが。
「AROUND THE DINNER TABLE, THE CONVERSATION IS LIVELY.」ディナーテーブルの周りで、話し合いは続いている。
……どういう意味でしょう? ディナーテーブルって、コンビニエンスストアの上にあるフォーマイカのテーブルと同じ?? バッド・クーパーとダイアンの関係が今ひとつ謎です。
マックリー刑事がゴードン一行に状況説明を始めます。
「ヘイスティングスは司書のダベンポートと関係があった。
彼女の死体が出たんだが、彼女の頭の下には、ブリッグス少佐の身体があった。
その日の夜、妻は弁護士のジョージに撃たれて殺された。
翌日、ヘイスティングスの秘書が自動車の爆発で死んだ……」
アルバート「で、シーズン2では何が起きるんだ?」←久々の毒舌キタ!
マックリー、首のない死体をゴードンたちに見せて「これはブリッグス少佐だ」
マックリー「ウィリアム・ヘイスティングスは、ルース・ダベンポートと一緒に、異次元に関する変わったブログを運用していた」
アルバート「ブログの最後の更新には、『今日、ついに我々はZone(ゾーン)と呼ばれるエリアに侵入した。そして、少佐に会ったんだ』と書いてある」
アルバート、検死官に向かって「この死体は40代だ」
アルバート、ゴードンに「ご存知の通り、ブリッグスは25年前にツイン・ピークス郊外の政府の建物で亡くなった。ちょうど、この死体ぐらいの年齢だった」
ゴードン「クーパーは25年前、ブリッグスの近くにいた。そして今、クーパーはそこら辺にいる」
検死官が何か取り出しました。「これをブリッグスの胃の中から見つけたの」
指輪です。
刻印に「To Dougie love, Jane E」とあります。ナオミ・ワッツがダギーに贈った結婚指輪です!
うおお。ダギーとブリッグスが繋がった!!!
繋がったんだが、どこでどうやって指輪がブリッグスの胃袋に入ったのか?
そしてゴードン一行はと言えば、頭と胴体が別人の死体とか、胃から出た指輪とか、そこで説明されたこと全部がさっぱり分からない。
ゴードン「我々は、ウィリアム・ヘイスティングスと話す必要があるな」
森の中。
ジェリー・ホーン、自分の右足を見つめる
子どもの声「I am not your foot.」←足がしゃべってる?
足に何か憑依したか?
右足が動かないので、歩くことができません。
「Go away!」
自分の足を抱えてすっ転ぶジェリー。
相変わらず盛大にラリっている模様です。
毎度毎度、何気に見入ってしまうのが、ジェリーの登場シーンです。
ブリッグス家から持ってきた鉄のパイプを吟味するトルーマン。
ボビーがにやけています。「オレは開け方知ってるよ」
外に出て、パイプを地面にたたきつけるボビー。
共鳴するパイプ。
もう一度たたきつけるボビー。
中から紙が出てきた!
紙にはこう書いてあります;
253 yards east of Jack Rabbits Palace
Before leaving Jack Rabbits Palace put some soil from that area in your pocket. And two dates. And a time. Same time 2:53.
10/1 10/2
ジャック・ラビット・パレスから253ヤードの地点
ジャック・ラビット・パレスを離れる前に、そのあたりの土をポケットに入れる
2つの日付の同じ時間。2:53
10/1 10/2
ボビー「ジャック・ラビット・パレス、覚えているよ」
もう1枚、乱数表みたいなのが同封されています。
トルーマン「Cooper Cooperって書いてある」
ホーク「クーパーが2人だ。Two Coopers.」
クーパーが2人になることを予言した文書。そして、2:53がまた出てきました。
鉄パイプから出てきた紙には、バッド・クーパーがダーリアに見せたカードと同じ、耳のあるスペードのエースと同じ模様も描いてあります。
拘置所で泣いているヘイスティングスを、タミーが尋問します。
タミー「ヘイスティングスさん、あなたは『the Search for the Zone』というブログの著者ですか?」
ヘイスティングス「ああ、そうだ」
タミー「2週間前、あなたは『別の現実世界』について書きました?」
ヘイスティングス「異次元だ。それは本当に存在する。実在するんだ」
タミー「今回、あなたは実際にその場所を発見し、中に入ったと書いています。しかも、そこで『我々は少佐と会った』と書いていますね」
ヘイスティングス「ルース(・ダベンポート)は、ある時間にある場所に行けば、異次元に入ってある人物と会えるという情報をつかんだ」
タミー「そして、あなたたちは少佐に会った」
ヘイスティングス「彼はそこに隠れていた。いや、『冬眠している』って言ってたな。そして、彼は他の連中に見つかりそうだから、他の場所に移動したいと。彼は我々に数字を手に入れてくれと言ってきた。重要な数字だ。座標だ。そして我々は彼から聞いたやり方で、軍のデータベースの中でそれを発見した」
タミー「その座標、まだ持ってる?」
ヘイスティングス「いや。ルースがそれを持ってる。彼女は腕にその番号を書いた。だから忘れることはない」
どうなる? どうなる? なんかオカルトじみてきた……。
タミー「それから何が起きたの?」
ヘイスティングス「我々はその番号を、先週の木曜に彼に戻した。そして……恐ろしいことが起きたんだ。ヤツらが入ってきて、オレは首根っこをつかまれて倒された」
タミー「(写真を見せて)この6人のうち、メイジャー・ブリッグスはどれ?」
正しく指さすヘイスティングス。
タミー「何が起きたか説明できる?」
ヘイスティングス「我々は彼に番号を渡した。そしたら彼は浮かび始めた。浮かんで『クーパー、クーパー』って言ったんだ。彼の頭が消える直前に。……あれは、誰も見たことがないような出来事だった。オレもあんなのは見たことがない。何かで読んだこともない。キミだって知らないだろう。それは、とても美しくて……そしてルースは死んだ。とても恐ろしくて、彼女を抱きしめた……。その後目覚めたら……自分の家にいたんだ」
タミー「少佐がルースを殺したの?」
ヘイスティングス「いや、違う。大勢の人物がそこにいた。オレを信じてくれ。オレはルースを殺してない。彼女を愛してたんだ。オレは何が起きたか分からない。オレたちはバハマに行くはずだったんだ……(以後、ひとしきりバハマの話。泣きながら)」
アルバート「フルーツケーキでも食うか」←本日2度目のアルバート節
いやいや、凄い話が出てきたね。ヘイスティングス役のマシュー・リラードも大熱演でご苦労さんです。
グレートノーザン、ベン・ホーンのオフィス。
相変わらず、反響音が聞こえています。音源を探す、ホーンとビバリー。
ホーン「修道院の鐘と同じクオリティーだな」
ロードハウス。
演奏されてる曲は「HUMAN」。演奏するのは、Hudson Mohawke
なんか、痒そうな女がいます。腋の下をボリボリかく女は、スカイ・フェレイラ。
演奏は3人のキーボード女子にチェンジ
「A VIOLENT YET FLAMMABLE WORLD」
Heather D’angelo, Erika Forster, Annie Hartの3人。
今日はロードハウスから2曲。しかし、腋の下が痒そうだ。
【第9話まとめ】
- 新シーズンも折り返しを迎えました。残りあと9話です。今回は展開がすごい。
- 生き返ったバッド・クーパーは、全然バッドなままでした。今度は刑務所のマーフィー所長を殺そうとしています。トッドに、ダギー殺しを依頼しているのもクーパーみたいですね。
- そのダギーには、1997年以前の公的記録が存在しないことが分かりました。「誰かがお前を作ったのだ(Someone manufactured you.)」って第3話で出てましたよね。
- ブリッグス少佐周りがいきなり活性化し始めました。まず、ボビーの案内でトルーマンとホークら保安官チームは、ブリッグス少佐の妻を訪ねます。少佐は、自分が死ぬ前に、この3人がクーパーの件で自宅を訪ねてくることを予言していました。そして自宅の椅子に、「ジャック・ラビット・パレスから253ヤード」という場所のヒントを遺したメモを仕込んでおいたと。
- ビル・ヘイスティングスと不倫相手のルース・ダベンポートは、「ゾーン」と呼ばれる場所を発見し、何と、ブリッグス少佐に会ったそうです。少佐は「冬眠」状態の、25年前の少佐だったと。
- 少佐との面会過程で、ルースは何ものかに殺されました。ルースは「座標」を知っていました。
- この、ヘイスティングス&ルースの「the Search for the Zone」というブログが実在しています。
【The Search for the Zone】
http://thesearchforthezone.com/
これはマーク・フロストあたりの仕業でしょうね。
- 次回以降は「座標」をめぐる展開になりそうですね。バッド・クーパーもその場所を探してます。
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